坪単価の話

ある会社での出来事

 新しく住宅営業の責任者として入ってきた方が、自信満々でした。
何故なら今まで大きなビル、設計者が決めた建物の監督をやっていたからです。
大きな建物をやっていたのだから、小さな住宅なんて簡単と思っている感じがありました。

 住宅は、お客さん集めから始まり、そのお客様がどんな家に住みたいか、資金的にはどうか、競合他社はどこか
総合してプラン作成し、資金計画を提案し話を進めていかなければなりません。
決められた図面や仕様があるわけではありません。
すべて1棟1棟ゼロからのスタートです。

そしてお客様から電話がかかって。きました
 お客様:「お宅の建物坪単価は?どれくらいでしょうか。」
 営業: 「そうですねーだいたい70万くらいでしょうか。」
 お客様:「わかりました。」
 それで終わり……

坪単価とは、家を建てるときの1坪当たりの建築費のことで、建物の本体価格を延べ床面積(坪)で割った数値のことです。
1坪はおよそ3.3㎡で、家を建てる時のおおよその目安として一般的に参考にされている数値です。

例えば延床面35坪の家が2,450万円だとしたら、坪単価は70万円ということになります。
  
しかし、建物を建てるには色々な要素があります。
例えば、上水道。
 水道が引き込まれているかいないか、引き込まれていなければ引き込む工事が必要となります。
    下水道
 下水道が入っていない地域では、浄化槽設置が必要となります。
    建替えの場合は、
 建物の解体費がかかります。
    その他
 建築確認申請の作成申請料がかかります。照明器具・カーテン代等がかかります。
 地盤調査の結果では地盤改良費がかかります。
 注文住宅を建てるのであれば、間取り・設備にこだわりが大きければそれだけで単価は変わります。
一例を挙げると
 内訳   本体価格    1,300万
      標準外工事    100万
      オプション工事    100万 (設備等グレードアップ)
      屋外給排水工事  120万 (水道引込直し、浄化槽設置等)
      建物解体費    150万
      太陽光設置費   200万
      オール電化工事    40万
      設計等申請費    20万
照明器具・カーテン工事 70万
      地盤改良費    127万
      消費税     222.7万
合計      2449.7万

 住宅業界での坪単価は、基本的な建物(その会社が決めた)だけの単価です。
建物の外周1mで区切って建物だけで坪単価です。
これで言うと坪単価は35万が本体価格の坪単価です。
仮に上下水道があり、解体工事がなく、地盤改良がない場合は397万の差がでます。

 それをかかった総額で建坪を割った単価が坪単価というのは親切そうに見えても
あまりにも無知。

以上第一回安本丹話でした。

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