ふじおか不動産株式会社

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家づくりのヒント

こちらのコラムでは、様々な家づくりのヒントについて知る事ができます。
暮らしの様々な住まいの事を紹介しているので、新しい物件で生活を始める方は是非参考にしてください。
レジエンス住宅
 そもそも「レジリエンス」とは?
レジリエンスは物理学用語で、後に心理学でも使われるようになった言葉です。日本語では、いろいろな訳し方をします。いくつか例をご紹介しましょう。
・抵抗力
・復元力
・耐久力
・再起力
・精神的回復力
・自発的治癒力
まとめて「脆弱性の反対の概念」と考えていただくとよいでしょう。レジリエンスが高い人や物は困難や抵抗に打ち勝つ能力が高い、と言えます。
「住宅におけるレジリエンスとは?」
 住宅において「レジリエンス」とは、いったい何を指すのでしょうか。これは、自然災害に対する「しぶとさ、強靭さ、回復力」とお考えください。
「レジリエンス住宅」とは、上述の災害(近年は、猛暑も入れたほうがよいでしょう)に対して優れた防災力や耐久力、災害後の対応力を持つ住宅のことです。
  
さらに、レジリエンス住宅には家庭内の事故防止能力も求められます。幼児の転落防止や高齢者の転倒防止、ヒートショックなどを防ぐ仕組みが必要なのです。
「ZEHや長期優良住宅等の高性能住宅を、災害前後に着目してアップデートしたもの」と考えていただくとよいでしょう。
特長
  ・年中快適な温度環境で過ごせる
    ・住宅で使用するエネルギーの収支がゼロ、またはそれに近い
    ・災害時に人命を守れるように耐久性を向上させている
    ・罹災後、長期にわたって自立した生活がおくれる
※いっぽうで、災害は「住宅の性能」だけでは乗り切れません。お住まいの地域にどんなリスクがあるのか、リスクに対してどんな備えができるのか、住む人がそれを知って対応しておくことも大切です。
「レジリエンス住宅に求められる性能や技術」
 平常時に求められる性能・技術
誰しも、わが家が危険で健康を損なうような環境であって欲しくないでしょう。しかし、残念ながら住環境が原因で事故や健康被害に遭う方が少なくありません。
レジリエンス住宅には、それを防ぐ性能や設備が求められます
・断熱性能  低光熱費で年中快適な温度環境がつくれる 
・バリアフリー性 高齢者や障害のある方でも暮らしやすい
・防犯性能  不審者や空き巣の侵入を防ぐ
・太陽光発電や蓄電設備 経済的にも環境的にもエコな暮らしができる 
 災害時に求められる性能・技術
災害時の住宅に求められる性能は「倒壊しないこと、二次災害を防ぐこと、安全に避難できること」です。
レジリエンス住宅には、人命を守るための高い耐久性や防災性はもちろん、以下の性能や設備が求められます。
・耐震性能 新耐震基準を上回る耐震性能であること、家具が転倒しないこと
・防火性能  隣家の延焼から自宅を守る、災害時に燃焼器具が自動停止する
・建築地に合わせた防災対策 台風、豪雪、洪水等の備え 
・非常食や防災グッズの備蓄 収納力:しまいやすく、取り出しやすい
 災害後に求められる性能・技術
レジリエンス住宅には、罹災しても健康的な生活がおくれる性能や設備が求められます。その一例をご紹介しましょう。
・停電時でも使える電源 太陽光発電、蓄電池・PHV・EV、エネファーム等
・生活用水の備蓄 貯水槽・井戸水利用・給湯設備の貯湯タンク等
・避難の容易さ 高齢者や幼児連れでも避難しやすい
「レジリエンス住宅のメリットとデメリット」
メリット  ・日常の家庭内事故を防ぎやすい
      ・災害に対する耐久性が高い
      ・罹災時でも、衛生的で自立した生活ができる
レジリエンス住宅は基本性能が高く、快適な温度環境が低光熱費でつくれます。家中の温度差をなくしやすいので、ヒートショックの低減や疾病予防も期待できるでしょう。
レジリエンス住宅は地域性に合わせた防災性能の向上が図られます。昨今の豪雨や河川氾濫を考慮して、水害対策ができる住宅の開発も進んでいます。
レジリエンス住宅の真価が発揮されるのは、災害後でしょう。太陽光発電・蓄電池・貯水槽等が、ライフラインが断絶してもしばらくの間、自立生活を支援してくれます。
デメリット  ・一般住宅より建築コストが高くなる
        ・屋根や間取りの形が制限される場合がある
        ・レジリエンス住宅を理解している建築会社が少ない
レジリエンス住宅には高性能の断熱材や断熱サッシ、太陽光発電システムが不可欠です。停電時でも使える電源や貯水ができる設備を備える場合もあり、一般住宅より建築コストがかかります。
また、太陽光発電量を少しでも多くしようとすると、屋根形状に配慮が必要です。屋根形状を配慮すると、間取りが制限されます。ですからレジリエンス住宅は、高い設計力が求められます。
しかし、レジリエンス住宅が認知され始めたのはここ数年で、まだ先進的な会社しか対応していません。建ててくれる会社が見当たらない地域も、少なくないでしょう。
  
「住まいのレジリエンスを高めるチェックリスト」
レジリエンスを考えて取り入れると、家族が住みやすく、災害時の対策などもできる家づくりをおこなえます。まずは、レジリエンス度をチェックしてみましょう。一般社団法人日本サステナブル建築協会が研究開発したCASBEE(住宅環境総合性能評価システム)にて、レジリエンス住宅の性能を評価してみてください。
平常時に安全を保てているか
・居間や寝室を涼しくできるか→夏は室温が高いです。家の中で熱中症にならないように、居間や寝室にエアコンを設置しましょう。
・冬は風呂やトイレが寒くないか→風呂やトイレが寒いと、心臓や血管に負担をかけます。できるだけ家の中の温度を一定に保つのが望ましいです。
・防犯の備えをしているか→不審者を寄せ付けないためにも防犯対策は大事。人感センサー付き照明を取り入れると防犯対策にも、夜間の帰宅時にも役立ちます。
災害を想定した対策ができているか
・耐震性のある住宅か→耐震性が高いほど、地震の被害を抑えられます。
・ガスや電気は自動停止するか→地震を感知して自動停止すると、地震による火災を防げます。
・家具の転倒防止をしているか→大型家具の転倒を防ぐだけでも、地震による被害を減らせるでしょう。
・雨戸やシャッターは備えているか→台風時は窓ガラスが割れることも想定されます。雨戸やシャッターを設置すると、台風の被害も抑えられます。
災害時に住まいで過ごすことは可能か
・太陽光発電や蓄電池を取り入れているか→太陽光パネルを設置すると、発電できます。停電時は自立して電力の供給をおこなえます。
・電力を消費しない暖房器具があるか→蓄電池で電力の供給があったとしても、できるだけ電力の消費を抑えましょう。冬場はストーブを備えておくと便利です。
・最低限の水と食料を用意しているか→防災グッズはもちろん、万が一に備えて水と食料の備蓄もしてください。
「まとめ」
レジリエンス住宅は、災害に対して高い耐久性や対応力を持っています。災害時に人命を守るだけでなく、災害後に自立した生活がおくれるように支援してくれます。
レジリエンス住宅は一般住宅より高性能であるぶん建築費が高額になります。しかし、光熱費の低減が期待できるので、性能向上費用の回収期間は短くなるでしょう。

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