ゴルフの「夢の祭典」とも言われるマスターズ・トーナメント。
ゴルフをする人なら毎年マスターズが開かれる一度はオーガスタの地を訪れてみたいと憧れたことがあるのではないでしょうか?
そんなマスターズでのみ使われる「パトロン」という特別なゴルフ用語があることをあなたはご存知でしょうか?
今やゴルフのトーナメントは世界中で開催されていますが、パトロンという言葉を使うのは世界4大メジャー大会の一つであるマスターズ・トーナメントだけです。
マスターズにおいてパトロンとは“観客”のことを指します。
ゴルフでは一般的に観客のことをギャラリーと呼びますが、マスターズ・ゴルフトーナメントに限っては、観客はパトロンと呼ばれるのです。
そもそも、なぜマスターズでは観客のことをパトロンと呼ぶようになったのでしょうか?
その答えはマスターズの歴史背景にあります。
マスターズのパトロンの由来は1930年ごろ、マスターズの創成期と言われる時代に遡ります。当時の大会運営は資金難であったことにその答えがありました。
マスターズ・トーナメントは創始者、球聖ボビー・ジョーンズとクリフォード・ロバーツが立ち上げたことでも有名です。
しかし、その創始者たちが大会の細部にこだわるあまり大会資金を使い果たしてしまい早々に資金難に陥ってしまったというのがこのお話のそもそもの始まりです。
そこでジョーンズ達を支援したのがオーガスタ・ナショナルGCのメンバーでした。
大会運営のため、オーガスタ・ナショナルGCのメンバー達が資金援助を行ってくれたことで大会は無事運営できたと言います。
さらに、大会創成期のマスターズ・トーナメントは「オーガスタ招待試合」という大会名でした。
これは、親しい仲間やオーガスタ・ナショナルGCのメンバーなどの後援者や支援者が観客として観に来る大会だったことから招待客のみが観戦できる大会であったことから招待試合と言われていました。
さらには”入場料金を賞金の原資にする”という方法でも観客達は資金運営にも携わったということから「観客=パトロン」と呼称されるようになりました。
その名残から今でもマスターズの観客をパトロンと呼ばれているのです。